14歳以上の少年が殺人事件を起こした場合の流れとして
①逮捕
人を殺害した者が14歳以上の未成年は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなしにかかわらず成人と同じく逮捕されます。
②検察庁へ送致
逮捕後、48時間以内に警察官から取り調べを受け、検察庁へ送致され、その後24時間以内に検察官から取り調べを受けます。
検察官は引き続き少年の身柄を拘束して捜査する必要があると判断した時は、裁判官へ勾留を請求します。
➂勾留または観護措置
裁判官が勾留を認めると、原則10日間、身柄を拘束されます。また、少年は勾留に代わる観護措置がとられる場合があります。殺人事件で観護措置が決定した場合、少年鑑別所に送致されるケースが多いでしょう。
④家庭裁判所へ送致
検察官は少年をどのような処分にするべきかの意見書を付して、事件を家庭裁判所へ送致しますが家庭裁判所は審判を開始するかどうかを判断します。
⑤検察へ送致(逆送といいます)
家庭裁判所が刑事処分にするべきと判断した場合は、検察庁へ送り返されます(逆送)。殺人事件を起こした少年は逆送される可能性が高いでしょう。また、故意に被害者を死亡させたと判断された16歳以上の未成年は、原則として逆送されることが少年法第20条2項に定められています。
⑥起訴
検察庁に逆送された少年は、原則として起訴されます。
起訴されると、少年も成人と同じ公開の法廷で刑事裁判を受けます。
殺人事件は、無作為に抽出された一般人が裁判に参加する裁判員裁判の対象です。
⑦判決
裁判で有罪が確定して実刑となった場合、16歳以上の者は少年刑務所へ、16歳未満の者は16歳になるまで少年院で刑の執行を受けるます。
その後、仮釈放となれば保護観察所で社会復帰のための指導・支援がおこなわれます。
一方、刑事裁判を受けても、刑罰ではなく家庭裁判所による保護処分が相当と判断される場合があります。
この場合は家庭裁判所へ移送され、児童自立支援施設送致や第3種(旧:医療)少年院送致(心身に著しい故障のあるおおむね12歳~26歳の者を収監する少年院)などの保護処分となる可能性があります。
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